小論文Q&A#7

〜大学受験・AO入試のために

質問7.小論文の受験対策はいつから始めるべきでしょうか。小論文は志望校の後期日程にしかないので,今は前期の一般教科の勉強に集中したいのですが。

新学期,それも五月の連休明けぐらいから急に増えてくるご質問です。

他の受験科目の準備をどうするか,という点については,その人の志望校ごとに異なりますので,お答えのしようがありませんが,「小論文の受験対策」は早く始めれば始めるほど,効果があります。

これは,早い時期から始めれば,たくさん(=長時間)演習ができる,ということではありません。同じ時間を小論文の勉強に割くのでも,早い時期から始める方が,ずっと有利なのです。

スポーツの練習を考え見てください。例えば,マラソンランナーが大会までに50時間練習するとしましょう。大会直前の5日間に毎日10時間ずつ走り込みをするのと,1日2時間ずつ,しかも適宜休養日を設けながら1ヶ月間走り込みを持続した場合と,どちらが効果的でしょうか。もちろん「1ヶ月」ですよね。さらに,「毎日10時間」なんて言う練習をしたら,大会当日にはヘトヘト,悪くすると体調を崩して「棄権」ということにもなりかねません。

もちろん筋肉その他の「体」の問題と,思考力という「知」の問題は,全く同じではありません。第1志望や前期受験に失敗して,急遽小論文での受験が必要になった,という人も多いでしょう。そのよう場合には,何もしないでいるよりは,できるだけ過去問演習などの添削指導をたくさん受けるに越したことはありません。事実,WIEの受講生のなかにもこのような「短期集中型」を望まれる方がおいでですし,この演習で見事合格された方も大勢おいでです。

しかし,東大後期など「カリキュラム制」と「フリータイム制」の両方のコースがある場合,「カリキュラム制」の受講生の方が,合格率が高くなっています。またフリータイム制でも,早くから申し込まれた受講生の方が,合格率が高いのです。実際同じだけの問題を解いてもらっているにもかかわらず,です。

このような現象がどうして起こるのでしょう。受講生の方の答案を見ていますと,早くから受講を開始された方は,他教科の内容や新聞その他で報道さらたことを,巧みに「論拠」として添削答案に盛り込んでおいでです。つまり,「小論文の考え方」を早くから身につけると,小論文の演習以外で見聞きしたことも,利用できるようになるのです。

ここが,「一般教科」の勉強と一番異なる点だと思います。「知識」ではなく,「考え方」を中心に学ぶ小論文の学習では,他の科目を勉強することの相乗効果が大きいのです。

逆に,「江戸時代と現代の社会原理の違いがよく分かりました」(日本史),「個体の変化と進化の関係が見えた気がします」(生物)といった,他教科の学習に小論文の勉強がプラスになった,という感想を寄せてくださる受講生もいます。ただし,こちらの「小論文→他教科」の効果は,まだ十分に調査・分析をしていませんので,WIEとしては保証しかねますが。

以上の事例から,多くの時間を割く必要はありませんが,志望校に「小論文」が必要なことが分かったら,なるべく早くに準備を始めることをお勧めします。月に1問ぐらいのペースで構いませんから,「考え方」を鍛えることを始めて見てください。同じ時間をかけるなら,その方がずっと効率的だと言えます。「他教科の勉強」や「日常の見聞」まで,「小論文の勉強」になるのです。

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